伽藍の洞 (1)

雑記

はじめに

弄する言葉もなくなってきたので、今回は僕自身について話しましょう
より正確に言うならば僕自身の人生について

伽藍の洞ってタイトルでピンと来た人がいるかもですが、これは奈須きのこさん原作の劇場アニメ『空の境界』第四章のタイトルです
まあなぜこのタイトルにしたのかは後程分かるでしょう

幼少期について

さて、まずは僕の幼少期について話しましょう
具体的には小学校入学前まででしょうか

こういうと意外かもしれませんが、この時期の僕はまだ今のような感じではありませんでした
当たり前ですが、僕の両親は素晴らしい人たちなので僕をまっとうに育ててくれていたんだと思います
その甲斐あってかこのころはまだ社会というものに対して疑問を抱くこともなく、与えられた環境に対して「そういうものだ」という感覚で生きていたのだと思います
まあ幼児としてはまともですがまったく面白みのない人間です、特筆すべきこともない普通の人間でした
というわけなので、この時期については特に言及することはありません

小学校生活と集団への疑問

さて、まあそんな普通の人間だった僕も小学校に入学するわけです
小学生の時の思想はいまの僕の礎になっているのだと思います

小学一年生のときは特に何もない小学生でした、未だ学校に慣れていなかったのもあってきっと毎日を暮らしていくだけで精いっぱいだったんだと思います
まあこのころから全校体育は嫌いでしたが

人生の転機というか、常道を踏み外す原因というか、そういう出来事が起こるわけです
一年生の時は近寄りもしなかった場所に通い詰めていくことになるわけですね
ある日、友人に誘われたのが最初だったような気がします、今となってはその友人の名前さえ思い出せませんが、そんなことは些事でしょう
僕はこの時期から図書館に通い詰めるようになりました、ええそれはもう狂ったようにね
なにが面白かったのかと問われると難しいですが、きっと本を読むことによって未知を知ることができたのが楽しかったのだと、いま回想するとそうではないかという予想ができます
もちろん、当時そこまで具体的にその衝動の正体に気づいてはいなかったでしょうし、そこまで聡い子供ではなかったのです

そんなこんなで小学生時代は以降ずっと図書館にこもって本ばかり読んでいました
学年末にはほぼ毎年読書数で表彰をもらえるくらいには読んでいたんですよ
ジャンルは歴史がメインでしたが、歴史に限らずいろいろ読みました

まあそんな生活を送っていたわけですが、僕の今の思想が片鱗を見せ始めたのもこの時期だと言えます
みなさんの学校には週に一回昼休みに「全員遊び」という忌々しい行事があったでしょうか
僕の学校にはありました、前述のとおり僕は図書館でずっと本を読んでいるような人間だったわけで、そんな人間にやれ鬼ごっこだのやれケイドロだのと言われてもホイホイ行くわけがありません
僕はそんなくだらないことをやっているくらいなら本を読んでいたかった、それがどれほど価値のあることかは当時から知っていました
外でみんなで遊んだところで得られるものなど何があるというのか、そこになんの価値を見出せというのか、ぼくには全く理解できませんでした
理解できなかったがゆえに、ぼくはそれを受け入れなかった
まあありていに言えば全員遊びを「サボって」図書館に行っていたわけです、毎週
それには担任もほとほと手を焼いていたようですが、僕には教師から説明された全員遊びの意義には納得出来ませんでした
毎週サボるたびに怒られるわけですが、僕には自分のしていることが間違っているとは一切思えなかった
だって自分にとって意味のあることをしたくて、自分にとって無意味なことをしたくなかっただけなのだから
なのに向けられるのは非難のまなざしです、僕からすると意味が分からない、ずっとそう思っていました
そんなに集団であることが重要なのか、集団であることにどんな意義があるのか、その時から今まで僕は一切理解できていません

そして時は多少進んで四年生です
この時は冬にあるイベントがあったわけです、そのイベントというのが長縄大会
当時の担任は体育の教師で、どうやら長縄大会で優勝することを目指していたようです
一分間に100回とか、そういう目標を掲げて取組んでいたような覚えがあります
クラスで一致団結して目標を成し遂げる、とても素晴らしいことですね
ですが、僕の知ったことではありません
僕は別に長縄大会で優勝したかったわけでも昼休みに図書館に行く時間をつぶされてまで長縄に取り組む理由があったわけでもありません
クラスの目標をイコール個人の行動の制約とする方針には全く納得いかなかったことを覚えています
当然数回はサボって図書館に行くわけですが、そのたびに放課後残されて説教されるわけです
それもそれでバカらしいと思ったので僕は一応は練習に参加することにしました
ただやる気のない人間が練習に行った結果なんて見え見えです、僕は多生怒られたからといって改心するような殊勝な人間ではありません
当然、真面目にやるわけがない
だってそれは当然の権利です、僕は不参加の意思を表明していたのに強制的に参加させたのは向こう
そもそも選択の権利を奪っておいてそのうえでまじめにやれだなんてバカな話はない
世界はそんなに都合よくできていない、当時は教師に「世界はお前が中心で回っているわけではない」と言われたのを覚えていますが、僕は別に自分を中心に世界を回したかったわけではない
ただ自分の世界を選びたかっただけで、周りにどんな世界があろうとそれは僕のせかいとは関係がないと、そう思っていました

それで、この長縄については割と真面目にやらないやつが多かったのである日に学級会が開かれるわけです
こんなバカバカしい茶番がありますか、なかば強制のくだらない仲良しごっこに反発すると学級会
じつに下らない
その会では最終的に「このまま長縄を続けたいものはその場で起立せよ」という指示が出たのだったと思います
きっと担任は全員立つだろうという確信をしていたのでしょう
当然僕は最後の一人になっても立ちませんでした、当たり前です
やる気もなければ続けたいとも思わないのだから、立つ理由がないのだもの
けれど僕が立つまで学級会は終わりません、これでは僕が悪者です
自分の確固たる意志をもって集団を否定し、より自分のためになると思うことに時間を使いたいと思うことのどこに罪があるのか、僕には全く理解できませんでした
きっとその時も結局最期まで立たなかった僕はみんなが帰った後でたっぷりと怒られたのでしょう

小学生のときはつまりそういう人間でした、僕はいくら怒られようと常に自分が間違っているとは思いませんでした
集団に迎合しないことを罪という資格など、たとえ教師であっても持っていないと、そう思います

中学校生活と集団への絶望

中学校時代もまあ当然集団に迎合することを良しとせず生きてきたわけですが、最も顕著なこととしては三年生の時の体育祭が挙げられるでしょうか

中学校最後の体育祭です、百足競争か何かでみんなで頑張って優勝しようという流れが教室で起こるのは必然といえるでしょう
熱に浮かされた愚か者どもは自らの目標をすなわちクラス全員の総意だと規定するわけです
もちろん僕は百足競争で優勝などこだわりもなければ体育祭なんて鬱陶しいだけのイベントで相変らず図書館で本を読みたいと思っていましたし、放課後は早く帰りたいと思っていました

さすがに中学ともなると強制ではありませんでしたが、雰囲気に流されてほとんど全員が朝昼放課後と練習していたようです
どうしても優勝したいのであれば、それは優勝したい連中が僕に頭を下げて時間をくれと乞うべきこと、僕が自発的に協力してやるいわれなど微塵もありません
だから僕は昼休みも放課後も練習なんかせずにさっさと帰りました

それで、本番を迎えるわけですが、もともと運動できる部類でもなく練習も一切していない僕が足を引っ張ったのは言うまでもないでしょう
まあここまでは予見できていましたし、この後に責められるであろうこともある程度は予想がついていました
それを分かったうえで僕は練習に行かない道を選んだのだからそれはいいのです
いくら「お前のせいで負けた」と言われたところで僕は痛くもかゆくもありません
むしろその程度で貴重な時間をくだらないことに浪費せずに済むのならまったくもって代償としては安いとさえ思っていました
そう、「お前のせいで負けた」という非難ならいくら連中が愚かとはいえ僕は許せたのですよ

でも現実彼らが攻めたことは足を引っ張ったことではなかった、こともあろうに彼らは「お前が練習に来なかったから足を引っ張って負けた」と宣うわけです
「お前のせいで負けた」のと「お前が練習に来なかったから足を引っ張って負けた」の間には大きな差異があります
僕は別に自分の身体能力をいくら貶められようとそれは許せます、事実だしこだわりもありません
けれど、けれどです、「練習に来なかったから」というのはいくら何でも許せない
練習に行く義務があるのか、そもそも自由参加ではなかったか
それに参加しないことで責められる必要があるのか
当然それは間違った矛先だ、彼らが責めるべきは僕の努力不足ではなく身体能力の低さでなければならなかった
言葉にできないほどの絶望でした、ここまで愚かなのかと
もともとクラスメイトなんて愚鈍な連中だと思っていましたし、これといって期待していたわけでもありませんでしたが、この件で僕は決定的に集団の愚かさを知ったわけです、知らされたわけです
一つの目標に向かって一致団結するという行動の中で否定されていく正当性、見失われる妥当性
下らない感情論を振りかざして正義だと思っている悪辣さ
そのすべてに絶望しました

さいごに

今日は時間も遅くなったのでこの辺りで、高校以降はまた明日にでも

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